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土地活用の種類と選び方

2021.06.23

土地活用の種類を7つに厳選!それぞれのメリット・デメリットも解説

土地活用とは、所有する土地を有効活用して利益を得る手法のことです。地価が上がったときにすぐ売却できるように、あえて土地を活用しない方も少なくありません。しかし、地価が上がることが確定していない限り、土地は有効活用した方が良いと言えるでしょう。土地活用を検討する際に気になるのが、活用方法の種類です。今回は、マンション・アパート経営や駐車場経営など、土地活用の種類とメリット・デメリット、選び方をご紹介します。

マンション・アパート経営

土地活用と言えば、最初に思い浮かぶのがマンション・アパート経営ではないでしょうか。マンション・アパート経営では家賃収入を毎月得られるため、私的年金としても活用できます。また、空き地のまま所有したり駐車場に利用したりする場合と比べて、固定資産税課税基準が6分の1、一定条件を満たすことで建物部分にかかる税金も3年あるいは5年において2分の1となります。

さらに、賃貸マンション・アパートを建てると「貸家建付地」として評価額が2割前後減額される、ローンを利用することで相続財産から債務控除ができる、小規模宅地等の特例の適用による税金の減額など、税金面で非常に優遇されています。

このようなメリットの他、いくつかのデメリットもあります。マンション・アパート経営では空室リスクが付き物であり、必ず毎月安定して家賃収入を得られるとは限りません。経営を初めてしばらくは、築年数が経っていないことで人気が高くなる傾向があります。しかし、築年数が経つにつれて空室が目立つようになり、家賃収入が下がる恐れがあるのです。

また、住民同士のトラブルや退去トラブル、契約違反によるトラブルなど、様々なリスクがあります。その他、忘れてはならないのが、自分の土地にマンション・アパートを建てる場合は、その建築費用も必要になることです。土地の広さや建物の間取り、高さなどで異なりますが、数千万~数億円もの初期費用がかかります。


メリット

  • 空き地を貸すよりも高い収益が期待できる
  • 資産価値が高まる
  • 節税効果が大きい

デメリット

  • 多額の初期費用がかかる
  • 空室リスクがある
  • 建物の管理が必要(管理会社に委託できる)

オフィスビル経営

土地の立地によっては、オフィスビルを建てるのも1つの方法です。メリット・デメリットは、マンション・アパート経営と同じです。ただし、パソコンや印刷機、その他の設備を使用するため、電気設備を充実させたり万全なセキュリティ対策を行ったりと、マンション・アパート経営よりも初期費用がかかります。

また、賃料は住宅よりも高めに設定することが一般的なため、より多くの家賃収入を得られます。ただし、マンション・アパート経営と同じく空室リスクがあり、企業の移転や倒産、縮小などを理由に空室が発生します。また、マンション・アパート経営と比べて景気や社会情勢に影響されやすいことに注意が必要です。昨今の新型コロナウイルス感染症に伴うリモートワークの推進により、オフィスを引き払う企業が続出しました。

オフィスビルを建てるのであれば、それに相応しい場所である必要があります。例えば広島市では、東西は京橋町〜紙屋町、南北は東白島〜大手町・国泰寺町までがオフィス街とされています。もちろん、これは一つの例ですので、他の地域でもオフィスを構えるのに適した場所であれば、オフィスビル経営を検討してもよいでしょう。


メリット

  • マンション、アパート経営よりも家賃収入が多い
  • 資産価値が高くなる
  • 高い節税効果がある

デメリット

  • 景気の影響を受ける
  • 設備の維持コストが住宅用の建物よりも高い
  • 固定資産税や都市計画税は減税されない

駐車場経営

駐車場経営とは、土地に駐車場設備を敷いて収益を得る手法です。駐車場のタイプには立体駐車場と平置き駐車場があり、立体駐車場の方が初期コストがかかります。また、駐車場の貸し方は、時間貸しのコインパーキングと月極駐車場の2つです。時間貸しには、土地を業者に貸す方式と、管理・運営を業者に委託する方式があります。

月極駐車場は、業者に募集や管理を委託する方式と、空きの有無を問わず一定の賃料を受け取る一括借上方式があります。住宅用の建物を建てるわけではないので、固定資産税や都市計画税は減税されません。


メリット

  • マンション、アパート、オフィス経営と比べて初期費用が少ない
  • 平置きなら転用や売却がしやすい

デメリット

  • 空車のリスクがある(一括借上方式を除く)
  • 節税効果が比較的低い

トランクルーム経営

トランクルーム経営とは、荷物の保管を目的とした倉庫や建物を建設して貸し出すことで収益を得る手法です。マンションやアパート比べて、他の活用方法への転用や売却がしやすいことがメリットです。また、人が住まないので、住環境がそれほど影響しないこともメリットと言えるでしょう。ただし、賃料が比較的低いため、満室状態が続いたとしても大きな収益を得ることは難しいです。


メリット

  • 初期費用が比較的少ない
  • 他の活用方法への転用や売却がしやすい
  • 立地の影響を受けにくい
  • 変形した土地や狭い土地も活用できる

デメリット

  • 大きな収益を得ることは難しい
  • 節税効果が比較的低い
  • 集客が難しいため空室が多くなりがち

ロードサイド店舗経営

ロードサイド店舗とは、いわゆる路面店のことです。コンビニやホームセンター、家電量販店など、様々な店舗を建てることができます。土地の所有者が建てた建物を貸し出す方式(リースバック)と、土地を貸し出して借主が建物を建てる方式(事業用借地契約)があります。比較的広いものの住宅用地には向かない土地に適しています。


メリット

  • 多くの家賃収入を得られる
  • 家賃収入が安定する
  • 事業用借地契約では初期費用がかからない

デメリット

  • リースバックでは建設費用がかかる
  • テナントの撤退リスクがある
  • 固定資産税と都市計画税が減税されない

高齢者住宅・老人ホームなど

高齢化社会が進む日本では、高齢者向け住宅や老人ホームの需要が高まりつつあります。駅からの距離、スーパー、ドラッグストア、コンビニなどの有無が空室リスクにほとんど関係がありません。そのため、立地が住宅用に適さない土地に向いています。

一定条件を満たすことで補助金を受け取れることは大きなメリットです。デメリットはありませんが、強いて言うのであれば空室リスクの高さがサービス事業者の質に依存することが挙げられます。土地の所有者が事業者から賃料を受け取るのが一般的ですが、間に不動産会社が入って一括借上して事業者から賃料を受けるパターンもあります。


メリット

  • 安定した需要が見込める
  • 住宅系の施設であれば節税効果がある
  • 補助金により初期費用を抑えられるケースがある

デメリット

  • 空室リスクがサービス事業者の質に依存する
  • ある程度の広さの土地が必要

太陽光発電

太陽光発電は、土地や建物の屋上・屋根などにソーラーパネルを設置して、太陽光から作り出した電気を電力会社に販売する手法です。数百万円の初期費用がかかりますが、長期にわたり安定的に収益を得られます。また、太陽光パネルは耐久性に優れている上にメンテナンスの頻度も低いので、維持費が安いこともメリットです。

太陽光発電による収益は、太陽光の強さに依存します。周辺に太陽光を遮るものがあったり、今後高いビルが建てられたりするケースには向いていません。太陽光パネルを南向きに設置できて、周りに遮蔽物がない・作られる心配がない場合に適しています。


メリット

  • メンテナンスの負担が少ない
  • 経年劣化による破損のリスクが低い
  • 設置場所が適していれば安定的に収益を得られる

デメリット

  • 初期費用が比較的高い
  • 売電価格が下落している
  • 反射光に配慮して設置する必要がある

その他の土地活用

ここまで紹介してきた土地活用の方法は、自己費用負担のある形式です。 その他、土地活用には、次の3つの形式があります。

定期借地

定期借地とは、土地を他人に貸す方法のことです。借主が建物を建てるため、初期費用が一切かかりません。契約期間が10~50年ほどのケースが一般的で、安定的に収益を得られることがメリットです。ただし、契約期間中は賃料を変更できないため、安く貸し出すことはおすすめできません。また、条件に合った事業者が見つかるまでに時間がかかり、土地活用を始めるのが遅くなるリスクもあります。

等価交換

等価交換とは、土地の所有者は土地を出資し、事業者は建築費用を出資することで、共同活用することです。出資の割合臭う自他区分所有権を持ち、それに応じた利益を得ることができます。ショッピングセンターや映画館などに適した広さの土地を持つのであれば、等価交換が有効な選択肢の1つとなります。なお、区分所有となるため、土地の所有者の思うように管理ができません。

土地信託

土地信託とは、所有している土地の活用を事業者に依頼して、その事業者が生み出した利益を受け取る手法です。土地活用のプロに依頼するため、経営の知識がなくても一定以上のレベルで土地活用ができます。完全に任せることになるため、土地の所有者は土地活用のノウハウや経験を積み上げることができません。

また、土地活用が必ず成功するとは限らない上に、損失が生じた際に不利益を被るのは土地の所有者です。そのため、土地活用のノウハウを持ち、信頼性が高い信託会社を選ぶ必要があります。

土地活用の選び方

土地の面積や立地、何を重視するかを踏まえ、土地活用の種類を選ぶことが大切です。収益性や安定性、初期投資額など、いくつかの観点から土地活用の種類の選び方を解説します。

収益性を重視する人

収益性を重視するのであれば、マンション・アパート・オフィス経営がおすすめです。空室リスクは付き物であり、いかにリスクを抑えるかが多くの収益を得るためのポイントとなります。土地がある場所に賃貸物件を建てた場合の空室リスクを確認の上で、活用方法を選びましょう。空室リスクには、競合性や需要、立地、不動産会社の営業力などが関係します。

安定して運用したい人

安定的に収益を得たい場合は、高い収益を得ることを諦める必要があります。人件費を抑えられるコインランドリーやトランクルームなどは、収益が低い一方で安定性が高い活用方法です。ただし、立地が悪すぎると利用者が少なくなるため、周辺環境の調査は欠かせません。

初期投資を抑えたい人

土地活用では、その種類を問わず初期費用がかかります。初期費用をできるだけ抑えたい場合は、平置きの月極駐車場がおすすめです。機械の設置が不要な上に、立体駐車場のように建設費用はかかりません。ただし、固定資産税の減税は対象外となるため、節税と初期費用のバランスを見て決めることが大切です。

また、トランクルームやコインランドリーも初期費用が比較的低い活用方法です。

高い節税効果を求める人

節税効果を求めるのであれば、マンション・アパート・一戸建て経営がおすすめです。小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)は固定資産税が6分の1に軽減、都市計画税が3分の1に軽減、一般住宅用地(200平方メートルを超えた部分)は固定資産税が3分の1に軽減、都市計画税が3分の2に軽減されます。

ただし、初期費用が高額であることや空室リスクの存在などを忘れてはいけません。どれだけ節税できても、それ以上の損失を被れば元も子もないでしょう。節税額と初期費用、空室リスクを総合的に判断することが大切です。

早く投資額を回収したい人

オフィスと商業施設の賃貸では、マンションやアパートよりも賃料を高く設定するため、投資額を早く回収できます。ただし、空室リスクは付き物であるため、ターゲットを定めて広告を打つなどして、空室リスクを抑える必要があります。

また、トランクルームも利回りが20%を超えるケースもあるため、投資額を早く回収したい人におすすめです。

まとめ土地活用の種類と選び方について

土地活用の種類は豊富で、それぞれにメリットとデメリットがあります。広い土地を持つ場合は、それだけ選択肢が広がります。土地活用における収益性や安定性は、立地や面積などで変わるため、不動産会社などの専門業者に相談した上で土地活用の方法を選ぶことが大切です。

コラムニスト吉川 隼人

株式会社日興トラスト 不動産・土地有活営業部 東広島営業所 吉川 隼人です。

主に呉地域を担当させて頂いております。

呉の土地活用は呉出身、呉在住の吉川にお任せ下さい。

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