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アパート経営の収支計画とは?

2022.04.01

アパート経営の収支計画とは?収入と支出の一覧と収支計画書の作成例を紹介

アパート経営の際は、収支計画の立案が必要不可欠です。やみくもにアパート経営の計画を立てると、予想以上に利益が少なくなる恐れがあります。収支計画を適切に立てることで、その内容を実行するために必要な業務や管理などが見えてくるでしょう。また、アパート経営によって得た利益による資金計画も正確に立てられるようになります。ここでは、アパート経営の収支計画の立て方や作成例、ポイントなどについて詳しくご紹介します。

アパート経営の収支計画とは

収支計画とは、収入から支出を差し引いて、手元にどれだけの利益が残るのかを年単位でまとめることです。収入が支出を上回ることでオーナーは利益を得られます。反対に、収入を支出が上回っている状況だと、手持ち資金からマイナス分を補填しなければなりません。このような状況が長く続くと、やがてアパート経営ができなくなります。

アパート経営を成功させるためには、現実的な収支計画を立案し、その内容を実行するための行動を取る必要があります。また、アパートを建てるときにかかる費用を金融機関から借りる際にも、収支計画を提出しなければなりません。

アパート経営の収支計画を立てる際は、アパートの収入と支出をそれぞれ把握することから始めましょう。把握していなかった収入や支出があると、収支計画の全体的な見直しが必要になります。

アパートのサブリースのメリット

まずは、アパート経営の収入について、種類と内容を詳しく見ていきましょう。

家賃

家賃収入は、アパート経営の収入の中で最も多額になる傾向があります。そのため、毎月の家賃を誰からどれだけ受け取れるのかを把握しておかなければなりません。アパートの階層によって家賃が異なる場合は、計算間違いに注意しましょう。

なお、空室があると、それだけ家賃収入が減ってしまいます。また、競合が家賃を下げたことで家賃相場が下がってしまった場合は、家賃の減額も検討しなければなりません。そのほか、入居者からの家賃交渉に応じた場合も家賃が減額されます。

毎月、一律の家賃を常に受け取れるわけではないことを踏まえて、適切に収支計画を作成しましょう。

駐車場料金

アパートに駐車場を併設したり近くに作ったりする場合は、駐車場料金を得ることができます。ただし、アパートへの入居者が車に乗らなかったり、周辺の駐車場を利用したりする場合もあります。そのため、常に最大の駐車場料金を得られるとは限りません。

また、周辺の駐車場料金が下がれば、減額も検討する必要があります。さらに、駐車場の管理費用、固定資産税なども発生します。特に、不動産管理会社に駐車場の管理を依頼する場合は、支出が大きくなりやすい点に注意が必要です。

駐車料金は、家賃を加味して設定しましょう。例えば、家賃が周辺の相場よりも高めの場合は、駐車場料金を安めに設定することで、駐車場を利用したい入居者が現れやすくなります。

共益費

共益費とは、共用部の設備や施設の運営や管理、品質維持などに用いる費用のことです。共用部の電気代、電球の交換費用、水道代、ゴミ置き場の清掃代、エレベーターの定期点検費などがあります。共益費の相場は家賃の5~10%程度のため、家賃8万円だと4,000~8,000円程度に設定されることが一般的です。

賃貸物件のチラシなどには、家賃が大きく表示され、隣や下に共益費が小さく表示されることがあります。そのため、家賃を安く・共益費を高く設定してお得感を出すケースがありますが、契約の段階で共益費のことを知り、契約を取りやめることに繋がる場合があるため、おすすめはできません。

礼金

礼金とは、入居時に入居者がオーナーに支払うお金です。敷金や保証金は一時的に預けるお金ですが、礼金は支払うお金のため一切返金されません。そのため、オーナーの収入として扱う必要があります。家賃が安い代わりに礼金が高い、敷金が安い代わりに礼金が高いなど、他の項目と調整することがポイントです。

また、礼金は需要のあるアパートほど高い傾向があります。例えば、新築アパートは入居者が集まりやすい傾向にあるため、礼金を高めに設定していることがほとんどです。一方、周辺に新築アパートが多いため、礼金が高いと入居者が現れにくいと判断できる場合は、礼金を安く設定します。礼金はいずれ減額することになる可能性を踏まえて、収支計画に盛り込みましょう。

更新料

アパートの賃貸契約は、ほとんどが2年契約です。2年の契約期間が満了した後もアパートに住み続けるには、契約を更新する必要があります。この契約更新の際に発生するのが更新料です。更新料の設定は法律で義務付けられていないため、0円とすることも可能です。また、更新料の相場は地域や物件によって大きく異なります。

更新料は家賃と同額に設定する傾向にありますが、それを高いと感じる人が多い場合は空室リスクが上がってしまいます。不動産管理会社やコンサルタントなどと話し合いながら、更新料の額を決めましょう。

アパート経営の支出

続いて、アパート経営の支出について詳しく見ていきましょう。

ローン返済額

アパートを建てる際にローンを利用した場合は、毎月返済することになります。家賃収入がなければ一気に赤字になるほどの金額を借り入れることが一般的です。ローン返済額がなければ、多少の空室があっても赤字になることはほとんどありません。

ローン返済額を収支計画に含める際は、返済額の変動に注意が必要です。少しずつ返済額が少なくなっていく契約と、毎月同じ額を返済していく契約があります。

修繕費

アパートの修繕費には、原状回復費や補修費、予防修繕費、大規模修繕費があります。原状回復費は入居者が退去した際にかかるもので、目安は数万~20万円程度です。敷金から充当することに加え、借主の責任となる部分は負担する必要がありません。敷金の額を踏まえて、収支計画に組み込みましょう。

補修費は、設備の不具合や突発的なトラブルによる破損などの修繕にかかる費用のことです。修繕内容によって異なりますが、数万~数十万円程度の費用がかかります。事故や災害などは完全に予測することが難しいため、あらかじめ積み立てておくことが大切です。

予防修繕費は、事故を防ぐために老朽化した設備を交換したり、シロアリやネズミなどの対策をしたりする際にかかる費用のことです。費用が発生する頻度は1~数年に1回程度ですが、建築する建物の内容によっては数万~数十万円と比較的高い費用がかかることがあります。

大規模修繕工事は、経年劣化した外壁や屋根、ベランダなどを修繕する工事のことです。数年~数十年に1回の頻度で行うことが多く、予防修繕費同様に建築する建物の内容によってはその度に数百万~1,000万円程度の費用がかかることがあります。建築する建物の仕様をしっかり確認し、必要であれば15年ごとに行う等の想定をしながら収支計画を立てましょう。

火災保険などの保険料

アパート経営では、必ず火災保険に加入しましょう。火災保険料は、建物の構造によって異なります。アパートは木造や鉄骨造などが多く、比較的燃え広がりやすい傾向にあり、コンクリート造の建物と比べて火災保険料が高く設定されます。

また、自然災害が多いエリアも火災保険料が高くなる傾向があるなど、影響する項目はさまざまです。火災保険料の支払い方法は、月払いや年払い、一括払いなどで、まとめて支払う方が安くなります。アパート経営を長期にわたり続ける予定であれば、一括払いをするのもよいかもしれません。近年、火災保険は補償内容、契約条件の改訂が頻繁に行われています。正確な最新の情報を得る為には、損害保険に精通したコンサルタント等に相談することが必須です。

税金

アパート経営では、所得税や住民税、個人事業税、消費税、固定資産税などがかかります。それぞれの計算方法は次のとおりです。

税金の種類計算方法
所得税所得×税率-控除額
住民税原則10%
個人事業税(所得-290万円)×5%
消費税10%(課税売上1,000万円以上の場合)
固定資産税(+都市計画税)課税標準額×1.4%(+0.3%)

このように、アパートを経営している以上は必ず税金がかかるため、忘れずに収支計画に組み込みましょう。

諸経費

アパート経営では、管理契約の内容によっては契約書のコピー代、共用部の光熱費、清掃費などの諸経費がかかることがあります。ただし、共用部にかかる費用については、共益費として入居者から受け取るため、実際にはかからない可能性があります。諸経費が多額になるケースは稀ですが、多額になることが想定されるのであれば大体の目安を収支計画に組み込んでおきましょう。

実際にアパート経営を始めると、大体の諸経費の目安がわかるようになります。その目安を収支計画に反映・修正してみてください。

収支計画書の例

収支計画を立てる際は、収支計画書を作成しましょう。収入と支出にわけて、各項目の金額を入力し、それを数年分作成します。収支計画書の例を紹介するので、参考にしてみてください。

項目1年目2年目3年目4年目
収入家賃5,6005,6005,6005,600
駐車場料金1,4001,4001,4001,400
礼金380280320400
その他90909090
合計7,4707,3707,4107,490
支出ローン返済額1,2001,2001,2001,200
共益費560560560560
管理費112112112112
修繕積立金430430430430
固定資産税等500500650650
火災保険料120120120120
その他80808080
合計3,0023,0023,1523,152
収支合計4,4684,3684,2584,338
(単位:千円)

アパート経営の収支計画を立てる際のポイント

アパート経営の収支計画を立てる際は、次のポイントを押さえましょう。

家賃の値下げを想定する

家賃は最も重要な収入のため、できる限り正確な数値を予測したいところです。周辺の家賃相場よりも高く設定すると、なかなか入居者が集まらずに家賃収入が減るリスクが高まります。また、中長期的に見ると家賃はどうしても下げざるを得なくなります。最初に家賃を低く設定すると、ますます家賃収入が減ってしまうため、家賃の値下げを想定しつつ適切な額に設定しましょう。

入居率の平均と最低値を想定する

入居率は、定期的に変動します。そのため、平均的な数値と最低数値の両方を想定して収支計画に組み込むことが大切です。築年数が進むにつれて、入居率が低下していきます。

敷金(保証金)は収入として考えない

敷金(保証金)は、入居者から一時的に扱っているお金であり、入居者に責任がある原状回復費や滞納家賃などに補填します。そのため、オーナーの収入としては考えず、収支計画には組み込まないようにしましょう。

大規模修繕と通常の修繕にかかる費用を把握する

定期的に行う大規模修繕工事と通常の修繕にかかる費用を可能な限り正確に把握しましょう。また、入居者の審査基準をある程度高く設定し、入居者に責任がある修繕費を踏み倒されるリスクを抑えることも大切です。全ての入居者が善良なことを前提に修繕費を予測すると、予期せぬ支出が発生する恐れがあります。

まとめアパート経営の収支計画とは?収入と支出の一覧と収支計画書の作成例を紹介

アパート経営の収支計画では、収入と支出を明確にしたうえで、家賃の下落リスクや入居者トラブルのリスクなどを加味する必要があります。また、賃貸経営は景気動向や税制の変化などの外部要因によって状況が変わります。そのため、各リスクを十分に考慮して、適切に収支計画を立てることが大切です。また、そのときの状況に応じて、収支計画を随時見直しましょう。

アパート経営を検討している、プロの業者を探しているという方は、日興トラストまでご相談ください。土地活用の専門スタッフが在籍しておりますので、健全で安心な収支計画書の作成はもちろん、専門的なご相談にも対応可能です。

コラムニスト川原 正樹

㈱日興トラストの川原です。 日々、お客様の大切な土地の有効活用が出来るように頭を回転させております。

私生活では、空手の稽古もしくは海に出てSUPをしながら自然と戯れております。

人生一度きりですので仕事も遊びも本気で取り組み有意義なものにしたいです。

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